税金の基本
年収850万円の手取りは月52万円【2026年最新】給与所得控除の壁と節税対策
年収850万円の手取りと税金内訳
年収850万円の会社員の手取りは年625万円・月約52万円(手取り率73.6%)です。天引きされる約225万円の内訳は、所得税+復興特別所得税約56万円・住民税約49.6万円・社会保険料約119万円。所得税の主な区間は23%(課税所得695万〜900万)で、年収400万円帯(税率10%)の2.3倍の税率が適用されます。社会保険料も大きく、健康保険・厚生年金合わせて年119万円を超え、給与の14%強を占めます。会社負担分(労使折半なので同額)も合わせれば、あなたの労働に紐づく社会保険コストは年240万円弱。年収800万円と比較すると手取りは約31万円増ですが、額面の50万円増に対して約38%は税金・社保に消える計算です。※40歳未満・独身・扶養なし・東京都在住・協会けんぽ加入の概算値。
850万円の壁:給与所得控除が頭打ちになる仕組み
年収850万円は税制上の重要な境目です。給与所得控除は年収によって異なる計算式(給与収入162.5万円以下なら55万円、162.5万円超〜180万円なら収入×40%-10万円、…)が段階的に適用されますが、年収850万円超は一律195万円で頭打ちになります(2020年税制改正で導入)。それまでは年収1,000万円で220万円の控除でしたが、上限が25万円縮小された格好です。つまり年収850万円超では、追加で稼いだ額がほぼそのまま課税所得に加算され、税負担が重くなります。年収100万円アップしても手取りは約60万円程度しか増えない高負担ゾーンです。ただし「所得金額調整控除」(最大15万円の所得控除)で一部軽減できます。次のいずれかに該当する場合に適用:①本人が特別障害者、②23歳未満の扶養親族がいる、③特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族がいる。子育て世帯(23歳未満の子がいる)は要件を満たすので、年末調整・確定申告で必ず申請しましょう。年約3〜5万円の節税効果。
年収850万円の昇給シミュレーション(限界税率約40%)
年収800万円から850万円に50万円昇給した場合、手取りの増加は約31万円。増えた50万円のうち約19万円が税・社保に消えます(限界税率約38%)。さらに年収850→900万円の昇給では手取り増加は約29万円、900→1,000万円では約28万円とさらに逓減。所得税率20%→23%の境目(課税所得695万円)と、給与所得控除の上限(年収850万円)が立て続けに効いてくるため、年収700〜1,000万円のレンジは「限界手取り率が最も低い」苦しいゾーンです。一方、昇給時の税負担が重いということは、控除・節税策の効果が大きいゾーンでもあります。例えばiDeCo月2.3万円の年27.6万円拠出で、所得税率23%×27.6万+住民税10%×27.6万=年約9.1万円の節税。同じ拠出額でも年収400万円帯(節税効果約4.1万円)の2倍以上の効果があります。
年収850万円の節税戦略(年25万円以上の改善が現実的)
税率23%区間の年収850万円は、節税の絶対効果が大きい年収帯です。①ふるさと納税:独身で控除上限約14万円、配偶者控除ありで約12.2万円。実質2,000円で約4.2万円相当の返礼品。②iDeCo:月2.3万円拠出で年約9.1万円の節税。会社員上限を満額活用するのがおすすめ。③住宅ローン控除:要件を満たせば最大35万円/年の税額控除。新築・長期優良住宅なら13年間で最大455万円の手取り改善。④医療費控除:年10万円超の医療費(家族合算可)。⑤生命保険料控除:満額で年約2.4万円の節税。⑥所得金額調整控除:23歳未満の扶養親族がいれば最大15万円控除=年約5万円の節税。⑦特定支出控除:通勤費・研修費・資格取得費の自己負担が一定額超で控除可。⑧新NISA:年360万円の非課税枠を満額活用すれば、運用益への課税回避で長期では数百万円の節税効果。これらを組み合わせれば年25〜35万円の手取り改善が現実的です。
ライフプランと家計設計のポイント
年収850万円・手取り月52万円は、住宅購入・教育費・老後資金準備を本格化させる年収帯です。①住宅購入:月返済額の上限は手取りの25%として月13万円。35年返済・金利1.3%なら借入額約4,700万円。住宅ローン控除を最大限活用すれば実質金利は0.6%台に圧縮可能。②子どもの教育費:私立中学・高校・大学(理系)でトータル1,500〜2,500万円。新NISAでつみたて投資(月3〜5万円)で15〜20年運用すれば学費の主軸を作れる。③老後資金:iDeCo月2.3万円+新NISA月5万円を継続すれば、20年で約2,200万円(年率4%運用)。退職金(一般的に1,500〜2,500万円)と合わせれば「老後2,000万円問題」は十分カバー可能。④配偶者の働き方:配偶者特別控除は本人の合計所得900万円超から縮小開始(年収約1,095万円)。年収850万円なら配偶者控除を最大限活用できる範囲。⑤社会保険料の頭打ち:標準報酬月額の上限(健康保険139万円・厚生年金65万円)にまだ達していないため、昇給時の社保負担は引き続き増加する点に注意。Taximoの手取り計算(/calc/take-home)と節税シミュレーション(/calc/tax-saving)で詳細を試算できます。
📚参考・出典
ご利用にあたって
本記事は2026年4月時点の公開情報をもとに執筆しています。税制は毎年改正されるため、最新の制度については国税庁や各自治体の公式情報をご確認ください。 記事内の計算結果は一般的な前提に基づく概算であり、個別の控除や特例の有無により実額と異なる場合があります。 個別の税務相談は、税理士・税務署等の専門機関にお問い合わせください。詳しくは免責事項をご覧ください。
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