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📰 令和8年度(2026年)税制改正まとめ

令和7年度・令和8年度の税制改正で、給与所得者の非課税ラインは103万円から178万円へ大きく動きました。あわせて19〜22歳の子を扶養する世帯向けの控除が新設され、 相続の側では生前贈与の加算期間が3年から7年へ延びています。 いずれも「制度の名前」よりも「いつから・自分の場合いくら変わるのか」が分かりにくい改正です。

このページでは、2024年から2031年にかけて順次適用される主要な改正8項目を、適用時期の時系列と立場別の影響の2つの切り口で整理しました。 各項目には Taximo の計算ツールへのリンクを付けているので、自分の年収・家族構成での金額をその場で試算できます。

最終更新:2026年9月4日 / 出典:財務省・与党税制改正大綱、国税庁タックスアンサー、厚生労働省、総務省

主要8項目:改正前 → 改正後の早見表

項目改正前改正後適用時期
基礎控除+給与所得控除(年収の壁)103万円178万円令和8年12月1日
19〜22歳の子を扶養する控除年収103万円で控除63万円が消滅年収197万円まで段階的に逓減令和8年12月1日
生前贈与の相続税への加算期間死亡前3年死亡前7年2024年1月〜段階適用
iDeCo拠出限度額第1号 月6.8万円/企業年金なし会社員 月2.3万円第1号 月7.5万円/会社員・公務員 企業年金と合計で月6.2万円2026年12月分から
子育て世帯の住宅ローン控除の借入上限一般水準最大5,000万円に上乗せ2025年入居分
復興特別所得税と防衛特別所得税復興2.1%(2037年まで)復興1.1%+防衛1%(復興は2047年まで延長)2027年1月
退職所得控除の勤続20年超加算年70万円一律化を検討中未定
暗号資産の売却益の課税雑所得・総合課税(最大55%)申告分離課税20%を検討中未定

いつ何が変わるのか(適用時期の時系列)

今回の改正が分かりにくい最大の理由は、決定時期と施行時期がずれていることです。 2026年12月施行の改正は「令和8年分の所得税」全体に遡って効くため、 1年分の減税が12月の年末調整に一度に反映されます。

  1. 2024年1月

    • 生前贈与の相続税加算が3年→7年に延長開始(2031年にフル適用)
    • 相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設
  2. 2024年12月

    • DB等の企業年金がある会社員・公務員のiDeCo拠出限度額が月1.2万円→2万円に
  3. 2025年12月末

    • 子育て世帯・若者夫婦世帯向け住宅ローン控除の上乗せ措置の期限。令和8年度改正で住宅ローン控除ごと5年延長され、上乗せの対象も拡充された
  4. 2026年10月

    • 社会保険の加入要件のうち月額8.8万円の賃金要件(いわゆる106万円の壁)が撤廃。従業員51人以上の勤務先では週20時間以上で加入
  5. 2026年12月1日

    • 基礎控除・給与所得控除の引き上げが施行。非課税ラインが103万円→178万円に
    • 特定親族特別控除が創設。19〜22歳の子は年収197万円まで親の控除が残る
    • 11月までの源泉徴収は改正前の税額表のまま。12月の年末調整でまとめて精算される
    • iDeCoの拠出限度額が12月分から引き上げ。第1号は月7.5万円、会社員・公務員は企業年金と合計で月6.2万円
  6. 2027年1月(予定)

    • 防衛特別所得税(1%)が開始。復興特別所得税は2.1%→1.1%に引き下げ、課税期間は2047年まで延長
  7. 2031年

    • 生前贈与7年加算がフル適用。相続対策は7年以上前からの計画が前提になる

立場別:自分にどう影響するか

🧑‍💼 会社員(扶養なし)

  • 基礎控除・給与所得控除の引き上げで、令和8年分の所得税は年収にかかわらず下がる。ただし住民税の基礎控除43万円は据え置きなので、住民税は変わらない。
  • 12月の年末調整でまとめて精算されるため、11月までの給与明細を見ても減税を実感できない点に注意。
  • iDeCoの限度額が月6.2万円に上がっているので、年間74.4万円まで所得控除を積める。

🛒 パート・扶養内で働く人

  • 所得税の非課税ラインが103万円→178万円へ。働く時間を増やしても所得税がかからない範囲が大きく広がった。
  • ただし住民税は2026年の収入なら119万円を超えるとかかり、社会保険にも130万円の壁がある(106万円の賃金要件は2026年10月に撤廃され、51人以上の勤務先では週20時間以上で加入)。178万円まで完全に無風というわけではない。
  • 扶養する側の配偶者控除・扶養控除の所得要件も58万円→62万円(給与収入136万円)に緩和されている。

🎓 大学生の子がいる世帯

  • 特定親族特別控除の創設で、子のアルバイト年収が136万円を超えても控除がゼロにならず、197万円まで段階的に逓減する形になった。
  • 従来は103万円を1円超えた瞬間に控除63万円が消え、親の税負担が年10万円以上増える「大学生の壁」があった。
  • 適用には年末調整時に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要。出し忘れると控除されない。

💻 フリーランス・個人事業主

  • 基礎控除の引き上げは事業所得にも効くが、給与所得控除の引き上げは給与のみが対象。恩恵は会社員より小さい。
  • iDeCoの自営業者枠(月6.8万円)は据え置き。青色申告特別控除65万円と小規模企業共済を組み合わせる余地は変わらない。
  • 暗号資産の申告分離課税化は令和8年度改正でも「引き続き検討」にとどまり、現状は雑所得・総合課税のまま。

🏛️ 相続・生前贈与を考えている人

  • 生前贈与の加算期間が3年→7年に延びたため、「亡くなる直前に贈与して節税」は成立しにくくなった。
  • 延長された4〜7年前の贈与は、合計100万円までは加算対象外という緩和がある。
  • 相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設され、暦年課税一択ではなくなった。どちらが有利かは資産規模と年齢で変わる。

改正の詳細(8項目)

影響度:高所得税施行:令和8年12月1日施行(令和8年分の所得税から適用)

103万円の壁 → 178万円へ引き上げ(基礎控除・給与所得控除の引き上げ)

令和7年度・令和8年度の2度の改正で基礎控除と給与所得控除が引き上げられ、いわゆる「103万円の壁」は令和8年分から「178万円の壁」になりました。パート・アルバイトの非課税ラインが大幅に拡大します。

  • 基礎控除:所得税法本体の額が48万円→58万円→62万円へ。さらに合計所得655万円以下には租税特別措置法による加算が乗る
  • 令和8・9年分の基礎控除額は、合計所得489万円以下で104万円、489万円超655万円以下で67万円、655万円超2,350万円以下で62万円
  • 給与所得控除:最低保障額が55万円→65万円→74万円へ。給与収入220万円までは一律74万円
  • 非課税ライン = 給与所得控除74万 + 基礎控除104万 = 178万円(改正前は103万円)
  • 住民税の基礎控除(43万円)は据え置き。給与所得控除の最低保障額は住民税も令和9年度分から74万円になるため、住民税がかかり始める年収は110万円から119万円に上がる(2026年の収入から)
  • 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が58万円→62万円(給与収入136万円)に緩和
  • 勤労学生控除の所得要件も85万円→89万円(給与収入163万円)に緩和
  • 加算措置は令和8年・9年分の時限措置で、令和10年分以後は合計所得132万円以下で99万円、それを超えると62万円になる
  • 施行は令和8年12月1日。11月までの毎月の源泉徴収額は改正前の税額表のままで、12月の年末調整でまとめて精算される
影響度:高所得税施行:令和8年12月1日施行(令和8年分の所得税から適用)

特定親族特別控除の創設(大学生の子は年収197万円まで)

19〜22歳の子を扶養する世帯向けに「特定親族特別控除」が新設され、子のアルバイト年収が136万円を超えても控除が段階的に逓減する形になりました。従来のように103万円で控除が一気に消える「崖」がなくなります。

  • 対象は19歳以上23歳未満の親族で、合計所得62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)
  • 所得税の控除額は最大63万円で、子の所得が増えるにつれ段階的に逓減し、123万円超でゼロ
  • 住民税にも同様の控除が創設され、控除額は最大45万円
  • 子の年収が136万円以下であれば、従来どおり特定扶養控除(63万円)の対象
  • 従来は子の年収が103万円を超えた瞬間に控除63万円が全額消え、親の税負担が年10万円以上増える「大学生の壁」があった
  • 適用には年末調整時に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要。出し忘れると控除されない
  • 子自身の勤労学生控除も所得要件が85万円→89万円(給与収入163万円)に緩和
この改正を反映した計算ツール:所得税計算 →手取り計算 →年収の壁 →
影響度:低その他施行:未定(検討中)

暗号資産の税制見直し検討

暗号資産(仮想通貨)の売却益に対する課税方式について、現行の「雑所得(総合課税・最大55%)」から「申告分離課税(20%)」への変更が引き続き検討されています。

  • 現行制度では暗号資産の利益は「雑所得」として総合課税(最大税率55%)
  • 業界団体が申告分離課税(一律20.315%)への変更を毎年要望
  • 2026年度税制改正では「引き続き検討する」との記載にとどまる
  • 株式やFXと同様の申告分離課税が実現すれば、大幅な減税となる
  • 損益通算や損失の3年繰越控除も実現の可能性あり
  • 実現時期は未定だが、早ければ2027年度改正での実現を目指す声も
この改正を反映した計算ツール:副業の税金 →所得税計算 →
影響度:低所得税施行:未定(検討中)

退職所得控除はどう変わる?勤続20年超・年70万円加算の縮小案を解説【2026年税制改正】

退職金の手取りが減るかもしれない見直し案。勤続20年超で年70万円加算される退職所得控除の優遇縮小が2026年税制改正で検討されています。転職者の税負担を公平にする狙いで、iDeCo受取時にも影響。Taximoの退職金計算ツールで自分のケースをシミュレーションできます。

  • 現行制度:勤続20年以下は年40万円、20年超は年70万円の退職所得控除
  • 見直し案:勤続年数に関わらず一律の控除額にする方向で検討
  • 転職者が不利にならない「労働移動を促進する税制」を目指す
  • 2025年度改正では見送られ、2026年度以降に再検討の見通し
  • iDeCoの受取時にも影響するため、受給計画の見直しが必要になる可能性
  • 企業の退職金制度にも影響を与えうるため、経済界からは慎重論も
この改正を反映した計算ツール:退職金の税金 →節税シミュレーション →
影響度:中社会保険施行:2026年12月分(2027年1月引き落とし分)から

iDeCo拠出限度額の引き上げ(2026年12月分から)

2026年12月分(2027年1月引き落とし分)から、iDeCoの拠出限度額が引き上げられます。自営業者など第1号は月6.8万円から7.5万円に、会社員・公務員は企業年金の有無による差がなくなり、企業年金等と合計で月6.2万円に一本化されます。

  • 第1号被保険者(自営業者など):国民年金基金との共通の限度額が月6.8万円 → 月7.5万円
  • 第2号被保険者(会社員・公務員):企業年金と共通の限度額に一本化し、企業年金等と合計で月6.2万円
  • 企業年金のない会社員は月2.3万円 → 月6.2万円に大きく広がる
  • 2024年12月には、DB等の企業年金がある会社員・公務員の上限が月1.2万円から2万円に引き上げられていた
  • 掛金額を増やすには本人の手続きが必要(国民年金基金連合会)
  • 出典:厚生労働省「2025年の制度改正」(iDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額の引き上げ、2026年12月1日施行)
この改正を反映した計算ツール:節税シミュレーション →
影響度:中所得税施行:2025年1月〜2025年12月末入居分

子育て世帯向け住宅ローン控除の延長・拡充

子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とした住宅ローン控除の優遇措置が2025年末入居分まで1年延長。借入上限額の上乗せも維持されます。

  • 子育て世帯(19歳未満の子がいる世帯)・若者夫婦世帯(夫婦どちらかが40歳未満)が対象
  • 新築の認定長期優良住宅:借入上限5,000万円(一般は4,500万円)
  • 新築のZEH水準省エネ住宅:借入上限4,500万円(一般は3,500万円)
  • 控除率は0.7%を維持、控除期間は新築13年・中古10年
  • 2025年12月末までの入居が条件(2024年末から1年延長)
  • 床面積要件の40平米への緩和措置も延長(合計所得1,000万円以下が条件)
この改正を反映した計算ツール:住宅ローン控除 →所得税計算 →手取り計算 →
影響度:高その他施行:2024年1月〜(段階的適用、2031年にフル適用)

生前贈与の加算期間7年への延長(段階的適用)

相続税の計算において、生前贈与の加算期間が従来の3年から7年に延長。2024年1月以降の贈与から段階的に適用され、相続税対策のスケジュールに大きな影響があります。

  • 2024年1月1日以降の贈与から、相続税への加算期間を3年→7年に延長
  • 延長された4年間(4〜7年前)の贈与については、総額100万円までは加算対象外
  • 2027年以降の相続から段階的に適用(2031年以降にフル適用)
  • 暦年課税の非課税枠(年110万円)自体は変更なし
  • 相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が新設(2024年〜)され、選択しやすく
  • 早めの生前贈与計画の見直しが重要。7年以上前からの計画的な贈与がポイントに
この改正を反映した計算ツール:贈与税 →相続税 →
影響度:中所得税施行:2027年1月〜

防衛特別所得税は2027年1月から。復興特別所得税は1.1%に引き下げ

令和8年度税制改正の大綱で、2027年(令和9年)1月から所得税額に1%の防衛特別所得税を課すことが決まりました。同時に復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%に引き下げるため、当面の合計の負担率は変わりません。その代わり、復興特別所得税の課税期間が2037年(令和19年)から2047年(令和29年)まで10年延長されます。

  • 所得税額に対し、税率1%の防衛特別所得税を新たに課す(令和9年1月から)
  • 復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%に引き下げ、合計2.1%は当面変わらない
  • 復興特別所得税の課税期間を令和29年(2047年)まで10年延長し、復興財源の総額を確保
  • 負担率は変わらないが、課税される期間が延びる
  • 出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(令和7年12月26日閣議決定)
この改正を反映した計算ツール:所得税計算 →手取り計算 →

出典・参考

検討中と記載した項目は、与党税制改正大綱で「引き続き検討する」とされている段階のものです。 確定した制度ではないため、実際の税額計算には反映していません。 本ページの内容は一般的な情報提供であり、個別の税務相談ではありません。 具体的な判断は税理士・税務署にご確認ください。

計算ロジック・本文の最終更新:2026-09-04 | 運営者情報・編集ポリシー