📈 昇給シミュレーション
昇給と手取りのしくみ
昇給で年収が上がっても、その全額が手取りとして増えるわけではありません。増えた年収(昇給分)に対して所得税の限界税率+住民税10%+社会保険料約15%が課されるため、年収帯によっては昇給分の60〜70%程度しか手取りに反映されません。これを「限界手取り率」と呼びます。所得税の累進構造により、税率の境目(195万円・330万円・695万円・900万円・1,800万円・4,000万円)を跨ぐ昇給では特に注意が必要です(出典:国税庁タックスアンサー No.2260「所得税の税率」)。
計算の仕組み
限界手取り率=1 − 所得税の限界税率 − 復興特別所得税 − 住民税率 − 社会保険料率。例えば年収500万円帯(所得税率20%)なら、20%+0.42%+10%+15%=約45.4%が増分から差し引かれ、限界手取り率は約54.6%。年収900〜1,800万円帯(所得税率33%)では、約58%が差し引かれ限界手取り率は約42%。社会保険料は厚生年金が標準報酬月額65万円(年収約780万円)で頭打ちになるため、年収780万円超では限界手取り率がやや改善します。
具体例・年収帯別の昇給効果
年収400万円→450万円(昇給50万円)の場合、限界手取り率約66%で手取りは約33万円増。年収700万円→780万円(昇給80万円)なら限界手取り率約55%で手取り約44万円増。年収1,200万円→1,300万円(昇給100万円)では限界手取り率約47%で手取り約47万円増。年収が高い人ほど昇給の効率が悪く、昇給額の半分弱しか手元に残らないため、福利厚生・退職金・株式報酬といった現物給付の方が税制上有利になるケースもあります。
2025-2026年の改正点・注意事項
住民税は前年所得ベースのため、昇給した翌年に住民税が上がる「翌年効果」に注意。社会保険料の標準報酬月額は4〜6月の給与平均で1年間固定(定時決定)されるため、昇給時期によって反映タイミングが変わります。本ツールは現在の税制・社保料率を前提とした概算で、賞与込みのフルパッケージは反映していません。賞与増額の場合は別途賞与版の計算を推奨します。
よくある質問
昇給分には所得税・住民税・社会保険料が新たにかかるため、額面の増加分がそのまま手取りに反映されません。特に所得税の税率ブラケットを越えた場合、超過部分に高い税率が適用されるため、限界税率(昇給分にかかる実質税率)は30〜40%以上になることがあります。
昇給額のうち、税金・社会保険料を引いた後で実際に手元に残る割合です。例えば年収500万→600万円の場合、増加100万円のうち手取りで増えるのは約65〜70万円程度で、限界手取り率は約65〜70%。年収が高いほどこの率は下がります。
標準報酬月額は通常4〜6月の給与平均で決まり(定時決定)、9月から1年間適用されます。昇給で2等級以上変動すると随時改定が行われ、月給変動の4か月目から新しい保険料が適用されます。賞与は支給ごとに保険料計算されます。
本当です。住民税は前年の所得に基づき翌年6月から翌々年5月まで課税されます。そのため昇給した年の住民税は前年の所得ベースで安く、翌年6月から新しい所得ベースで増加します。退職・転職時のキャッシュフロー設計で要注意です。
年収500万円の方なら所得税10%+住民税10%+社会保険料約15%=合計約35%が残業代に課されます。年収800万円の方なら所得税20%+住民税10%+社会保険料約15%=約45%。年収が高いほど残業の手取り効率は下がる傾向です。
年収帯によります。年収500〜800万円の限界税率は約30〜35%なので、iDeCo月2万円拠出で年7〜8万円の節税効果があります。これは年収を約24万円昇給したのと同じ手取り効果。昇給と節税は両方併用するのが最も効率的です。
短期的には逆転ゾーンで手取りが一時的に減ることがありますが、長期的には年収160万円以上目指せれば壁を越えた方がお得です。社会保険加入で将来の厚生年金・傷病手当金が増え、生涯収入では大きくプラスになります。
※ 本計算は概算です。実際の金額とは異なる場合があります。