📋 確定申告ガイド
確定申告とは(所得税法に基づく手続き)
確定申告は、1年間(1月1日〜12月31日)の所得と税額を計算して税務署に申告する手続きで、所得税法に基づいて行います。申告期間は翌年2月16日〜3月15日。会社員は勤務先の年末調整で済む場合が多いですが、一定の条件に該当する場合は確定申告が必要です。還付申告(税金が戻る場合)は1月1日から5年間いつでも提出可能。期限後申告にはペナルティ(無申告加算税5〜20%+延滞税)が課されるため、必要な人は期間内に申告しましょう。
確定申告が必須なケース(必要な人)
①給与収入が年2,000万円超、②給与以外の所得が年20万円超(副業・雑所得・株式譲渡など)、③2か所以上から給与を受けて年末調整されない給与+他の所得が20万円超、④自営業者・フリーランス(所得が48万円超)、⑤不動産所得がある方、⑥年の途中で退職して年内に再就職していない、⑦株式・FX等で損失が出て損益通算・繰越控除を活用したい、⑧暗号資産で年20万円超の利益、⑨退職金の受給で「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合。
確定申告をした方がお得なケース(任意)
申告義務はないが、確定申告で還付を受けられるケースは次の通り。①医療費控除:年10万円超の医療費(家族合算可)。②セルフメディケーション税制:対象市販薬1.2万円超。③住宅ローン控除(初年度)。④ふるさと納税で6自治体以上に寄付。⑤災害・盗難による雑損控除。⑥特定支出控除(通勤費・研修費・資格取得費が一定額超)。⑦寄付金控除(認定NPO法人・公益社団法人など)。⑧株式損失の損益通算・3年繰越。これらは控除を申告しないと税金が戻りません。
e-Taxでの申告手順
国税庁「確定申告書等作成コーナー」を使えばスマホだけで申告完結。①マイナンバーカード方式でログイン(マイナポータルアプリでカード読み取り)。②マイナポータル連携で源泉徴収票・控除証明書を自動取得。③質問形式で給与・副業・控除を入力。④計算結果を確認して送信。⑤マイナンバーカードで電子署名→完了。所要1〜2時間。書面提出より還付が早く、青色申告特別控除も65万円(書面は55万円)に増えます。
申告に必要な書類リスト
①源泉徴収票(勤務先発行、マイナポータル連携で電子取得可)、②マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)、③控除証明書類(生命保険・地震保険・iDeCo・寄付金受領証明書・医療費明細)、④住宅ローン年末残高証明書(住宅ローン控除)、⑤副業の収入・経費記録、⑥還付金の振込先口座(本人名義)。経費の領収書は7年間(青色申告)または5年間(白色申告)の保管義務があります。
申告期限・延長制度・相談窓口
申告期限は毎年3月15日(土日祝日の場合は翌平日)。災害等で間に合わない場合は申請により延長可能。納税は申告期限と同じ3月15日まで(口座振替なら4月下旬)。【相談窓口】①国税庁チャットボット相談(24時間対応)、②税務署の電話相談センター(平日のみ)、③各地の確定申告会場(1〜3月の期間限定)、④税理士会の無料相談会、⑤Taximoの確定申告診断(/calc/tax-filing)で申告要否を診断。
青色申告と白色申告の違い
事業所得・不動産所得・山林所得がある人は、青色申告を選ぶと大きな特典があります。①青色申告特別控除:複式簿記で記帳しe-Taxで申告すれば65万円(書面提出は55万円、簡易簿記なら10万円)を所得から差し引けます。②青色事業専従者給与:生計を一にする家族への給与を全額必要経費にできます(白色は配偶者86万円・その他50万円の上限あり)。③純損失の繰越控除:赤字を翌年以降3年間繰り越して黒字と相殺できます。④30万円未満の減価償却資産を一括で経費計上できる特例。適用を受けるには、原則としてその年の3月15日まで(新規開業なら開業から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を提出する必要があり、後からさかのぼることはできません。副業でも事業所得と認められる規模であれば選択可能です。
所得税の納め方は6通りある
確定申告で税額が出た場合、納付方法は選べます。①振替納税:預貯金口座から自動引き落とし。引き落としが4月下旬になるため、実質的に1か月以上の猶予が得られる最もお得な方法です。一度手続きすれば翌年以降も自動継続。②e-Taxからのダイレクト納付。③インターネットバンキング。④クレジットカード納付(決済手数料が別途かかりますが、カードのポイント還元率が手数料を上回れば有利)。⑤スマホアプリ納付(Pay払い、30万円以下)。⑥金融機関・税務署の窓口で現金納付、またはコンビニ納付(QRコード、30万円以下)。期限までに納付できない場合は延納制度(3月15日までに半額以上納付すれば残りを5月31日まで延長)もありますが、年0.9%程度の利子税がかかります。
間違えたときの直し方(修正申告・更正の請求)
申告後に誤りに気づいた場合、期限内であれば単に正しい申告書を出し直せば新しいほうが有効になります(訂正申告)。期限後は方向によって手続きが変わります。①税額が少なすぎた場合は「修正申告」。自主的に行えば過少申告加算税はかかりませんが、法定納期限からの延滞税は発生するため早いほど傷が浅くなります。税務調査の通知後だと10%(一定額超は15%)の過少申告加算税が課されます。②税額が多すぎた・還付が少なかった場合は「更正の請求」。法定申告期限から5年以内であれば請求でき、認められれば還付されます。医療費控除やふるさと納税の申告漏れは、この更正の請求で取り戻すのが定石です。③そもそも申告していなかった場合は「期限後申告」で、無申告加算税(原則15〜30%)と延滞税がかかります。
副業の住民税を会社に知られたくない場合
副業をしている会社員が最も気にするのが、住民税経由で勤務先に副業が伝わることです。住民税は本業と副業の所得を合算して計算され、その全額が本業の給与から天引きされるため、給与に対して住民税が不自然に多いと経理担当者が気づく可能性があります。これを避けるには、確定申告書第二表の「給与所得以外の所得に係る住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択します。これにより副業分の住民税だけが自宅に納付書で届き、本業の給与天引き額は給与分のみになります。ただし、この方法が使えるのは副業が事業所得・雑所得・不動産所得などの場合で、副業もアルバイトなど給与所得の場合は原則として普通徴収を選べません。自治体によって運用が異なるため、確実を期すなら申告後に市区町村の課税課へ確認するのが安全です。
関連する計算ツール
計算ツールを使う →この計算の根拠・出典
令和8年分の所得税の確定申告(申告期間は令和9年2月16日〜3月15日)を前提に記載しています。加算税・延滞税の割合は改正されることがあるため、実際の納付前に国税庁の最新情報を確認してください。
※ 本ページの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談ではありません。