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👴 年金のしくみ

公的年金の2階建て構造

日本の公的年金は2階建て構造です。1階部分が全国民共通の「国民年金(基礎年金)」、2階部分が会社員・公務員が加入する「厚生年金」。さらに3階部分として企業年金(確定給付企業年金・企業型DC)やiDeCo(個人型確定拠出年金)があり、自助による上乗せが可能。被保険者は3区分:第1号被保険者(自営業・学生・無職など)、第2号被保険者(会社員・公務員)、第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者で年収130万円未満)。

国民年金(基礎年金)

20歳以上60歳未満の全ての人が加入します。保険料は月額17,920円(令和8年度)で所得に関わらず定額。40年間(480ヶ月)満額納付した場合の老齢基礎年金は年847,296円(月70,608円、令和8年度)。納付期間が短い場合は月数に比例して減額されます。経済的に納付が難しい場合は免除制度(全額・4分の3・半額・4分の1)や学生納付特例があり、免除期間も受給資格期間に算入されます。ただし全額免除期間の年金額は納付した場合の2分の1(国庫負担分)にとどまるため、10年以内なら追納して満額に近づけるのが有利です。国民年金保険料は全額が社会保険料控除の対象になり、2年前納なら約1万5千円の割引もあります。

厚生年金(給与連動)

会社員・公務員が加入します。保険料率は18.3%固定で、労使折半(本人負担9.15%)。標準報酬月額(給与の段階区分、下限8.8万円・上限65万円)×18.3%が月額保険料。賞与にも別途、標準賞与額(上限150万円/回)×18.3%が課されます。受給額は加入期間と平均報酬額に比例し、平均的な会社員(40年加入・平均月収40万円)で月約15万円程度。「ねんきん定期便」で自分の見込み額を確認できます。

受給開始年齢と繰上げ・繰下げ

原則65歳から受給開始ですが、60〜75歳の範囲で受給開始時期を選べます(2022年改正)。繰上げ受給:1ヶ月あたり0.4%減額(最大24%減)。繰下げ受給:1ヶ月あたり0.7%増額(75歳まで繰下げで最大84%増)。長生きする見通しがあるなら繰下げが有利、健康に不安があれば繰上げや通常受給が無難。在職老齢年金(働きながら年金を受給)は基本月額+総報酬月額相当額が50万円を超えると一部支給停止になります。

計算例(年収500万円・40年加入のケース)

会社員(年収500万円・22歳から65歳まで勤務)の年金受給見込みを試算します。①平均標準報酬額(賞与を含む月換算)=500万÷12≒41.7万円。②加入期間=43年(516月)。③老齢厚生年金の報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数≒約118万円/年。なお2003年3月以前の加入期間には賞与を含まない乗率7.125/1000が適用されるため、世代によって計算式が異なります。④老齢基礎年金(満額)=847,296円/年。⑤合計受給見込みは年約202万円・月約16.9万円。配偶者が第3号被保険者だった場合は配偶者の老齢基礎年金が加わり、世帯で月約23万円になります。総務省の家計調査では高齢夫婦無職世帯の支出が月26〜27万円程度とされており、この差が「老後資金問題」の実体です。Taximoの年金計算(/calc/pension)で加入期間と年収を入れて試算できます。

ねんきん定期便・ねんきんネットの見方

毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」は、年齢によって内容が変わります。50歳未満の人に届くのは「これまでの加入実績に応じた年金額」で、今後の保険料納付を織り込んでいないため実際より大幅に低く見えます。これを将来の受給額と誤解して不安になる人が非常に多いポイントです。50歳以上になると「現在の加入条件が60歳まで続いた場合の見込額」に変わり、実態に近い数字になります。また35歳・45歳・59歳の節目には全期間の加入履歴が記載された封書が届きます。日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すれば、任意の受給開始年齢や今後の働き方を入力してシミュレーションでき、いつでも最新の記録を確認できます。転職が多い人は加入記録の抜けがないか必ず照合してください。

老齢年金以外の3つの給付(遺族・障害・加給)

公的年金は老後のためだけの制度ではありません。①障害年金:病気やケガで日常生活や労働に制限が生じた場合に受給できます。障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金はより軽度の3級や一時金の障害手当金まで対象。初診日に厚生年金に加入していたかで受けられる範囲が大きく変わります。②遺族年金:death時に遺族基礎年金(子のある配偶者または子)と遺族厚生年金(報酬比例部分の4分の3)が支給されます。③加給年金:厚生年金に20年以上加入した人が65歳になったとき、生計を維持している65歳未満の配偶者や18歳到達年度末までの子がいると年約40万円が上乗せされます。配偶者が65歳になると加給年金は終了し、代わりに配偶者側に振替加算が付きます。いずれも保険料の未納期間が長いと受給できないため、免除申請は「払わない」より圧倒的に有利です。

受給資格期間は10年・年金にも税金がかかる

老齢年金を受け取るには、保険料納付済期間と免除期間などを合わせた「受給資格期間」が10年以上必要です(2017年8月に25年から短縮されました)。10年に1か月でも足りないと1円も受け取れないため、未納がある人は60歳以降の任意加入や後納で期間を満たせないか確認してください。また受け取る年金は非課税ではなく、雑所得として所得税・住民税の対象になります。ただし公的年金等控除があり、65歳以上で公的年金等の収入が158万円以下(65歳未満は108万円以下)なら所得税はかかりません。年金収入が400万円以下で他の所得が20万円以下なら確定申告は不要ですが、医療費控除などで還付を受けたい場合は申告できます。年金からは介護保険料・国民健康保険料も天引きされる点に注意が必要です。

老後資金の上乗せ(iDeCo・新NISAの活用)

公的年金だけでは「老後2,000万円問題」と言われる不足が生じる可能性があります。上乗せ手段は次の通り。①iDeCo(個人型確定拠出年金):会社員月最大2.3万円、自営業月最大6.8万円。掛金全額が所得控除+運用益非課税+受取時も優遇。②企業型DC:会社が掛金拠出。マッチング拠出で本人追加も可能。③新NISA:年360万円・生涯1,800万円まで運用益非課税。所得控除なしだが流動性高い。④国民年金基金:自営業者向け、月最大6.8万円(iDeCoと合算枠)。⑤付加年金:自営業者が月400円追加で受給時の年金が増える制度。最新情報は日本年金機構の公式案内で確認できます。

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この計算の根拠・出典

保険料・年金額は令和8年度の値です。老齢厚生年金の報酬比例部分は概算式による試算で、実際の額は加入記録・生年月日ごとの乗率・再評価率により異なります。正確な見込額は「ねんきんネット」で確認してください。

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