🏢 退職金 税金計算シミュレーター
なぜ退職金は税金がほとんどかからないのか
退職金(退職手当)は「退職所得」として、給与所得や事業所得とは合算せず別枠で計算する分離課税です。長年の勤労に対する報奨という性格があるため、(1)勤続年数に応じた大きな退職所得控除、(2)控除後にさらに1/2を掛けるという二重の優遇が用意されており、税負担が大幅に軽くなります。「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば源泉徴収だけで課税関係が完結し、原則として確定申告は不要です(出典:国税庁タックスアンサー No.1420「退職金を受け取ったとき」)。
計算の流れは 「退職所得 =(退職金 − 退職所得控除)× 1/2」 →この退職所得に所得税の超過累進税率(5〜45%)と住民税10%を乗じる、という順序です。控除と1/2の効果で、勤続が長いほど実質的な税率はごく小さくなります。
勤続年数別 退職所得控除額の早見表
控除額は 勤続20年以下=40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超=800万円+70万円×(勤続年数−20) で求めます。退職金がこの控除額の範囲内なら、課税される退職所得はゼロ=税額もゼロになります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 10年 | 400万円 |
| 20年 | 800万円 |
| 25年 | 1,150万円 |
| 30年 | 1,500万円 |
| 35年 | 1,850万円 |
| 40年 | 2,200万円 |
試算例:勤続30年で退職金2,000万円なら、(2,000万−1,500万)×1/2=250万円が課税対象。所得税15.3万円+復興特別所得税3,213円+住民税25万円=合計約40.6万円で、退職金の98%以上が手元に残ります。
退職金でよくある3つの誤解
- 「申告書を出さなくても同じ」は誤り:「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと退職所得控除や1/2課税が適用されず、退職金の全額に一律20.42%が源泉徴収されます。提出すれば源泉徴収だけで完結し確定申告も原則不要です。
- 「必ず1/2になる」は誤り:勤続5年以下の非役員は退職金(控除後)が300万円超の部分が「1/2課税」の対象外、役員等は5年以下なら全額が1/2対象外(短期退職手当等の特例)。
- 「他の所得と合算される」は誤り:退職所得は分離課税のため、給与や事業所得の税率には影響しません。
改正点・受給タイミングの注意
2022年から勤続5年以下の非役員にも上記の「1/2課税」対象外ルールが導入されました。さらに政府税調では、勤続20年で控除単価(40万→70万)が変わる現行制度の見直しが検討されています。なお確定拠出年金(DC・iDeCo)の一時金受け取りも退職所得扱いで、退職金と同年または前後5〜20年以内に受給すると退職所得控除の重複調整が入るため、受給タイミングは慎重に検討してください。
よくある質問
はい。退職所得は勤続年数に応じた退職所得控除があり、さらに控除後の金額の1/2に課税されるため(2分の1課税)、通常の給与より大幅に税負担が軽くなっています。長期勤続を促す税制優遇です(国税庁タックスアンサーNo.1420)。
勤続20年以下は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。例えば勤続30年なら800万円+70万円×10年=1,500万円が控除されます。勤続年数は1年未満切り上げで計算します。
(退職金額 - 退職所得控除) × 1/2 = 退職所得。これに所得税率(5〜45%)を掛けて控除額を引いた金額が所得税です。さらに復興特別所得税2.1%が加算されます。住民税は退職所得の10%が原則徴収時に同時課税されます。
はい。勤続5年以下の役員等の退職金は1/2課税の特例が適用されません(特定役員退職手当等)。また2022年からは、役員以外でも勤続5年以下で300万円超の退職金は超過部分について1/2課税が不適用となりました。
「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば源泉徴収で完結し、確定申告は原則不要です。提出しない場合は20.42%の一律源泉徴収となり、自分で確定申告して精算します。医療費控除等を併用したい場合は確定申告すると有利な場合があります。
はい。iDeCoの一時金受取は退職所得扱いで、同じ年に会社の退職金と一緒に受け取ると合算して退職所得控除を適用します。控除を有効活用するには「19年ルール(受取の5年前以降に他の退職金がない)」を考慮した受取時期の調整が重要です。
確定給付企業年金やiDeCoは一時金・年金(分割受取)・併用の選択が可能です。年金受取は雑所得(公的年金等控除あり)、一時金は退職所得となります。退職所得控除を超える部分を年金で受け取ると税負担を分散できる場合があります。
※ 本計算は概算です。実際の税額とは異なる場合があります。
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