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💼 給与所得控除とは

給与所得控除とは(自営業の必要経費に相当)

給与所得控除は、会社員・パート・アルバイトなどの給与所得者が受けられる控除で、収入から自動的に差し引かれます。所得税法第28条に規定された制度で、自営業者の必要経費に相当するもの。スーツ代・通勤費・書籍代などの「概算経費」として一律に控除されるイメージです。年末調整・確定申告どちらでも自動適用されるため、特別な手続きは不要です。

控除額の計算式(令和8年分)

①年収220万円以下:74万円(最低保障額)。②220万円超〜360万円:収入×30%+8万円。③360万円超〜660万円:収入×20%+44万円。④660万円超〜850万円:収入×10%+110万円。⑤850万円超:195万円(上限固定)。最低保障額は2019年分まで65万円、2020年分から55万円に引き下げられていましたが、令和7年度改正で65万円、令和8年度改正でさらに74万円へと2年連続で引き上げられました。一方、年収850万円超の上限195万円は2020年分に220万円から縮小されて以降変わっていません。つまり近年の改正は低〜中所得層に手厚く、高所得層には及んでいない構造です。

年収別の控除額一覧(令和8年分)

年収150万円:74万円、年収200万円:74万円、年収220万円:74万円、年収300万円:98万円、年収400万円:124万円、年収500万円:144万円、年収600万円:164万円、年収700万円:180万円、年収800万円:190万円、年収850万円:195万円(上限到達)、年収1,000万円以上:195万円(上限固定)。年収220万円までは一律74万円で、そこから収入が増えるほど控除も増えますが、増え方は収入の増加より緩やかです。年収850万円を超えると195万円で完全に頭打ちになります。改正前と比べると、年収220万円以下の人は控除が19万円増え、年収220万円を超える人には影響がありません。

給与収入に含まれるもの・含まれないもの

給与所得控除は「給与等の収入金額」をもとに計算されますが、給与として振り込まれるお金が全て収入に含まれるわけではありません。【含まれる】基本給、残業代、賞与、役職手当、住宅手当、家族手当、資格手当など。【含まれない(非課税)】通勤手当(公共交通機関なら月15万円まで、マイカー通勤は距離に応じた限度額まで)、出張旅費・宿泊費の実費、社員食堂などの現物給与のうち一定額まで、業務に必要な制服。源泉徴収票の「支払金額」欄は非課税の通勤手当を除いた金額になっているので、この数字がそのまま給与所得控除の計算の基礎になります。年収の壁を意識している人は、通勤手当が収入に含まれないことを知らずに働く時間を抑えすぎているケースがあるので確認してください(ただし社会保険の扶養判定では通勤手当も収入に含みます)。

所得金額調整控除(850万円超の救済措置)

年収850万円超でも、次のいずれかに該当する場合は「所得金額調整控除」(最大15万円)で給与所得控除縮小の影響を一部緩和できます。①本人が特別障害者、②23歳未満の扶養親族がいる、③特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族がいる。子育て世帯(23歳未満の子がいる)は要件を満たすので、年末調整・確定申告で必ず申請しましょう。年収1,000万円・税率23%帯なら年約3〜5万円の節税効果。

特定支出控除(実額経費が高い人向け)

実際の業務関連経費が給与所得控除の1/2を超えた場合、その超過分を追加で控除できる制度(所得税法第57条の2)。対象は①通勤費、②転勤の引越し費用、③研修費、④資格取得費(弁護士・税理士などの難関資格も可)、⑤帰宅旅費、⑥職務遂行に必要な図書費・衣服費・交際費(上限65万円)。利用には会社の証明書が必要で、ハードルは高いが該当者には大きな節税になります。年収500万円なら給与所得控除144万円の1/2=72万円超の実額経費がある場合に適用可能。

住民税では控除額が1年ずれる

見落とされやすいのが、所得税と住民税で適用年がずれる点です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、令和8年度の住民税は令和7年分の所得を令和7年分のルールで計算します。つまり令和8年時点では、所得税は最低保障額74万円、住民税は65万円と、同じ年収でも計算に使う控除額が異なります。この差が出るのは給与収入220万円以下の範囲だけで、それを超える年収では所得税・住民税とも同じ計算式になります。年収200万円前後のパート・アルバイトの方が「所得税はかからないのに住民税だけ請求が来る」という状況が生じるのは、この1年のずれと、住民税の基礎控除が43万円に据え置かれていることの合わせ技によるものです。

計算例とTaximoの試算

年収500万円の会社員の課税所得計算:①給与所得控除=500万×20%+44万=144万円。②給与所得=500万−144万=356万円。③ここから基礎控除104万円(令和8年分・合計所得489万円以下)、社会保険料控除約75万円などを引いて課税所得177万円が算出されます。給与所得控除は所得税・住民税の両方の出発点になるため、この段階の金額が手取り全体を左右します。なお自営業者には給与所得控除がなく、実際にかかった経費を積み上げる必要があるため、同じ年収でも会社員のほうが有利になるケースが多くあります(その代わり自営業者は青色申告特別控除65万円などが使えます)。Taximoの所得税計算(/calc/income-tax)や手取り計算(/calc/take-home)で具体的な金額を確認できます。

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この計算の根拠・出典

所得税は令和8年分(最低保障額74万円)、住民税は令和8年度分(同65万円)に基づいて記載しています。両者は課税年がずれるため、給与収入220万円以下では控除額が異なります。

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